鯔
Flathead gray mullet
ボラ目 ボラ科 ボラ属
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世界中の暖かい海域および汽水域に分布する魚。
水面で跳び跳ねる習性をもっており、河口や内湾で釣りをしているときに大きめの魚がバシャッと跳ねたら、その正体は大抵このボラです。
ボラの胸びれの根元には青色の斑があり、この点で他のボラ科魚類と見分けることができます。
またボラ科の中では本種は比較的大型となり、最大で体長80cmを超えます。
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ボラの主なエサは水底に積もった藻類や微生物です。
これを周りの泥や砂と一緒に吸い込むように食べています。
こうして胃の中に入った泥や砂を濾し取って排泄できるよう、胃の幽門部には丈夫な筋肉層が発達しています。
この部分は俗に「ボラのへそ」もしくは「ボラのそろばん」と呼ばれる、知る人ぞ知る珍味です。
食感はコリコリとしていて砂肝やホルモンに似ているそうです。
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ボラの目は「脂瞼(しけん)」という半透明の膜で覆われています。
この器官は目の保護や、視界の確保に役立っていると考えられています。
冬になるとこの脂瞼の周囲に脂肪が貯まり、目が白濁したような状態になります。
このことから「冬のボラは視力が落ちる」とも云われています。
視力が弱った冬のボラを狙って、大きな鉤針を魚の体にひっかけて釣り上げる「ギャング釣り」という釣法が盛んな地域もあるようです。
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ボラはいわゆる出世魚で、成長段階によって呼び名が変わっていきます。
地域によって違いがありますが、関西圏では以下のようになっています。
ハク(3cm以下)
オボコ(3~10cm)
スバシリ(10~15cm)
イナ(15~30cm)
ボラ(30~50cm)
トド(50cm以上)
釣り方
ボラはメインターゲットにされることは少なく、外道として釣れることが多い魚です。
あえてボラを狙うなら、ポピュラーな釣法はウキフカセ釣りあたりでしょうか。
水底のエサを食べる魚なのでタナは中層~低層で、付けエサは小さめのオキアミが適しています。
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