真鱮
Japanese surf-perch
スズキ目 スズキ亜目 ウミタナゴ科 ウミタナゴ属
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本州沿岸の浅い岩礁域に棲む海水魚。
晩秋に浅場に寄ってきて、冬から春にかけて繁殖活動を行い、夏が始まる頃には深場へと帰っていきます。
かつては冬の堤防の釣り物として有名でしたが、近頃はメディアに取り上げられることが少くなったようです。
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もともとは標準和名「ウミタナゴ」として1種扱いされていた魚が、分類学の進展によって2007年に2種に分けられました。
従来の名前を引き継いだ、青っぽい体の「ウミタナゴ」。そしてもう片方は体が赤っぽい「アカタナゴ」です。
さらにこれと同時期に、青っぽい「ウミタナゴ」の方には生息域の違う亜種がいることが認められました。
それが本種の「マタナゴ」です。
しかし釣りにおいてはこれらが区別されることは少なく、まとめてウミタナゴとして扱われています。
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マタナゴはウミタナゴの亜種というだけあって、姿形がよく似ています。
大きな違いは分布域で、大雑把にいうと日本海側にいるのがウミタナゴ。太平洋側にいるのがマタナゴです。
また前鰓蓋骨の後下縁に見られる暗色斑も見分けのポイントのひとつ。
斑点が2つあるのがウミタナゴ、1つしかないのがマタナゴです。
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ウミタナゴという名前は、淡水魚の「タナゴ」に姿が似ていることに由来しています。
しかし困ったことに、この淡水魚のタナゴを他のタナゴ科の近縁種と区別する際の俗称として、昔から「マタナゴ」が用いられることがありました。
ウミタナゴ科の海水魚マタナゴと、淡水魚タナゴの別名としてのマタナゴ。
なんだかややこしいことになっています。
釣り方
胴突きや玉ウキ釣りで、堤防際や障害物周りを狙いましょう。
コマセを使わないとなかなか近寄ってこないとも言われます。
エサを吸ったり吐いたりする独特の食餌をするため、アタリがあっても早アワセは禁物です。
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